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Glyphsでフォントを作ろう 第2回

さて第2回。
今回はフォントとしての体裁を整えていく。

必要な情報を入力しよう
前回の最後でフォントファイルを一旦出力した際、フォント名が「New Font」になっていたが、これはGlyphsの用意したデフォルトの名前だ。ローカル環境で使う分には問題ないが、せっかくなのでオリジナルの名前にしてみよう。

まず、ウィンドウ左上の [ i ] ボタンをクリックするか、 [cmd + i] でフォント情報ウィンドウを表示する。


初期状態だと上のようにファミリー名以外は空白になっている。最低限必要なのはファミリー名だけなので、そこを変えるだけもいいのだが、せっかくなので他の項目も埋めてみよう。
ちなみに私が個人サイト「ドットコロン」で公開している「Route 159」というフォントでは以下のようにしている。参考になれば幸いだ。


注意点として、ファミリー名の項目は英語表記で入力しておこう。日本語やアルファベット・数字以外の名前を設定するには他の手順が必要、なのだが本筋ではないので今回は割愛する。
(ためしに日本語名を入力して保存してみたらファイルが壊れた。ぐぬぬ)

メトリクスを調整しよう
次はフォントのバランスを調整しよう。
まずは、先ほどのフォント情報ウィンドウの上、[ マスター ] のタブをクリックする。いろいろ項目があるが、今はメトリクス部分のみに注目。


5つ入力欄があるが、今回気にするのは上から4つ。
それぞれ、
アセンダー(小文字の上に伸びる文字: b・d・f・h・k・lの高さ)
キャップハイト(大文字の高さ)
x ハイト(小文字の高さ)
ディセンダー(下に伸びる文字: g・j・p・q・yの高さ)
となる。
欧文にはこのほか文字を並べる際の基準としてベースラインという概念があるが、これは全フォント共通で0となる。上記のディセンダーの高さがマイナスの値になっているのは、このベースラインから下に位置するからだ。
入力する値はわりと自由にできるが、アセンダーからディセンダーまでを1,000とするのが一般的だ。Glyphsの初期値でも、アセンダー: 800、ディセンダー: -200と、上から下までで1,000となっている。
値を変更するときは、ディセンダーを-240にした場合、アセンダーを削って760に、といった感じに調整する。

さて、これらに入力する数値を具体的にどうするかという話だが、これはもう作りたいフォントによるとしか言いようがない。どんなフォントにしたいかという設計思想によって、大きくも小さくも変わってくるからだ。

ちなみに、先に紹介したRoute 159では下のような設定になっている。


初めてフォントを作るとき、このあたりの感覚を掴むのはなかなか難しいと思う。そんなときはGlyphsの初期値そのままで一旦作り始めてしまおう。


すると作っているうちに、「あー、もうちょっと小文字を高くした方がしっくりくるかな」とか「もうちょっとディセンダーを縮めておさまりを良くしよう」といった感覚が出てくるはずだ。
メトリクスの値はいつでも変更できるので、デザインの方向性が固まったときに改めて設定しなおせば問題ない。

それでも悩む場合は、自分の目指すイメージに近い他のフォントを参考にするのもいいだろう。Glyphsは.otfファイルをそのまま読み込むことができるので(ロックされているので上書きはできない)、参考にしたいフォントを読み込んで同じようにフォント情報ウィンドウからメトリクスの値を見ることができる。


パクリになると警戒する人がいるかもしれないが、フォントのデザインはメトリクス以外の要素によっても大きく印象が変わるので、「メトリクスが同じ=パクリ」とはならない。
また、たとえメトリクスが全く同じ値でも問題が発生するケースはかなり稀だ(と思うのですが実際どうなんでしょう教えてえらい人)。

ただし、念のため付け加えておくと、アウトラインデータをそのまま持ってくるのはいろんな意味で問題に発展するのでやめておこう。心情的にもアウトだ。

次回予告
思ったより長くなったので、小文字の製作は次回に持ち越し。
ささっと26文字を作って方向性を決めるためのプロトタイプを完成させる、というような内容になるかと思うので、お楽しみに。

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note株式会社でデザイナーやってます。

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