見出し画像

新しいオリジナルフォント「F1.8」を公開します。

ひさかたぶりに新しいフォントを作りました。その名もF1.8
もともとは先に公開したF5.6のアップデートとするつもりでしたが、コンセプト的に離れたものとなったので、新フォントとして公開することにしました。

(F5.6についてはこちらの記事をご覧ください)

方向性はF5.6と変わりましたが、やりたいことの根っこは同じなので名前も同じくカメラレンズのF値にちなんだものにしています。

デザイン

カメラがお好きな方はもうピンときていると思いますが、このフォントを作るにあたって、ライカが使用しているフォントをインスピレーションの元としています。
基本のコンセプトは参考にさせていただきつつ、より現代的にアレンジしディスプレイフォントとして発展的に再構築しました。

幾何学的要素を取り入れつつ、全体としては硬くみえないよう直線と曲線のバランスを取っています。

画像6

線幅は一定ですが、文字そのものの幅はアルファベットとして違和感のないよう、変に詰まったり間延びしたりしないようにバランスを意識しました。基準として大文字のNを縦横3:2、小文字のnを縦横4:3と設定し、大文字小文字を組み合わせても違和感が出ないよう調整しています。

画像5

余談ですが、機械彫刻用標準書体と同様に一定の線幅と半円の終端形状を持たせているので、機械加工でも再現可能なデザインとなっています。

収録文字

画像12

こちらがF1.8に収録されている全文字になります。
黒字は一般的なアプリケーションで使用できる文字で、青字はOpenTypeフィーチャーに対応しているアプリケーションで利用できるデザインバリエーションになります。

画像12

オルタネート(異体字)はPhotoshopであれば文字ツールオプションの「デザインのバリエーション」から、リガチャ(合字)は同「任意の合字」から変更可能です。

こちらのデザインはバリエーションの豊富さでおなじみのAvant Garde Gothicを参考にしました。実用性はなんとも言えませんが、面白い使い方を見つけていただけると嬉しいです。

- 使用例 -

画像5

画像6

そのほか、「オールキャップス」を有効にした場合にハイフン類やコロン、セミコロンの位置が大文字の高さに合うようになっています。

画像7

また、カーニングも一通り設定してあるのでぜひご活用ください。

利用にあたっての注意

・本フォントの著作権は 佐賀野 宇宙 にあります。
・本フォントは無料かつ制限なく利用できますが、利用によって生じた利用者および第三者の被害については佐賀野 宇宙は責任を追いません。
・本フォントをWebフォントとして利用することは問題ありませんが、Webフォントへの変換、Webサイトへの組み込み方法等、技術的サポートはおこないません。ご自身の責任でご利用ください。
・再配布・販売は禁止といたします。
・フォントデータの不具合の報告は、この記事のコメント欄またはTwitterにお寄せください。

以上に同意の上、下記よりダウンロードください。

終わりに

このF1.8、もともとは気分転換のつもりで作っていたので公開するつもりもなかったのですが、カワセさんからの欲しいの一言で一気に作り上げることを決めました。

ここ数年新しいフォントを世に出してなかったので、良いきっかけをいただけたと思ってます(似た方向性のものが続いているのはご愛嬌)。

一週間ほどで駆け抜けるように作り上げましたが、最近アップグレードしたGlyphs 3を試す機会にもなりとても楽しかったです。

試すついでに、今回試験的にこの記事を有料にしてみようと思います。フォント自体は無料でダウンロード&お使いいただけますが、もし気に入ったという方がいましたらこの記事を購入いただければ幸いです。

ではでは。

ここから先は

264字 / 4画像 / 1ファイル

¥ 1,000

記事をご覧いただきありがとうございます。 もしよろしければサポートしていただけると嬉しいです。 記事の更新スピードや、ある日突然新しいフォントを公開したりする可能性が上がります。 いただいたサポートは書籍購入や作業環境の更新に使わせていただきます。