見出し画像

Glyphsでフォントを作ろう 第6回

ちょっと間隔が空いてしまった。いかんいかん。

「k」を作ろう
「k」にはいくつかパターンがあるが、今回は比較的シンプルなデザインで作業を進める。

注意すべき点は「く」の字の交点の位置と線の太さ、そして線の長さだ。

まず交点の位置について。
これはxハイトの中心よりも若干上に持っていこう。その方が視覚的に安定する。

次に太さについて。
斜線は若干末広がりにした方が視覚的に安定して見える。なので「k」の場合は「く」の交点部分をほんの少し絞ろう。
純粋な直線にすると、交点部分が太く見えてしまう。ただしあまり極端だと違和感が出るので必要最小限にとどめよう。

あとは線の長さについて。下半分の斜め線は上半分よりも若干長く、かつ右に出るようにしよう。こうすると安定した印象になる。

Tips
スクリーショットのマルで囲ったポイントを [ 右クリック -> アウトラインを開く ] するとパスの個別の調整がしやすくなる。どんどん活用しよう。

「l」 を作ろう
アウトライン編集面で特に言うところはないが、大文字の「I(アイ)」とは最低限の差別化を図ろう。
とりあえず「I'll be back」みたいに、アイとエルが並んだ場合に判読できるかが最低限のライン。もちろんアイの方に特徴を持たせるのもアリだ。

メトリクスの設定でキャップハイトよりもアセンダの方がちょっと高めに設定されているのこのため。
小文字のエルの方が少しだけ上に出るのでアイと判別できる。シンプルさを追求するならこれだけでも問題はない。

そのほか差別化を図るには、上端の切り口を斜めにする、セリフをつける、
下端を「t」と同じような形にする。等々が挙げられる。
この辺りは全体のデザインと相談しながら決めることになるだろう。

「m」 を作ろう
まず「n」を丸ごと持ってくる。続いてアーチ側を狭めて長体気味に調整する。そしてそのアーチ部分をコピペして右に並べよう。
あとは三本の縦線が等間隔になるよう位置を合わせれば完成だ。

線間の距離の測定には [ ものさしツール ] が便利だ。 [ L ] キーで切り替えてドラッグすると、線間の距離を表示してくれる。
水平垂直を測る場合は [ Shift ] キーを一緒に押そう。

「m」の文字幅はあまり狭くしない方が自然だ。個人的には「n」の1.7倍ぐらいの幅がちょうどいいと思う。
たまに「m」だけ長体にしたロゴを見かけるが、「m」はもともと幅広な文字な文字なので無理に他と揃える必要はない。

「r」 を作ろう
これまた「n」からコピペ。アーチ側の適当な箇所でカットすればほぼ完成。そのままでもいいが、先端部分を少し内巻きにしておくと自然な感じになる。
根元も絞ったほうがいいかもしれない。ただしこの部分もわりと好みによるところが大きい、とは思う。

「s」 を作ろう
難関。きちんと仕上げるには試行錯誤が必要だ。めげずに頑張ってほしい。

とりあえずアウトラインのスクリーンショットを載せておく。ポイントの配置の参考になるだろう。

全体としては、「s」の中心を縦に貫く(仮想の)軸がほんの少しだけ右に傾いて見えるように。そして上半分が下半分よりも少しだけ小さくなるように調整すると自然に見える。
また、中央の線を水平に近づけると「s」の文字幅が幅広に、傾きを大きくすると自然と狭まってくる。

この辺りのさじ加減はかなり微妙なので、一度に仕上げようとせず時間を置きつつ完成度を高めていこう。
他の文字がある程度出来上がってきたら、一緒に並べてみるのも有効だ。歪みや傾きに気付けるだろう。

「u」 を作ろう
「n」を180度ひっくり返そう。以上。
本当はもうちょっと言うべきことがあるが今は速度優先。サクサクいこう。

「z」 を作ろう
上下の横線は「t」や「f」と同じ太さに。斜線は他の文字にあわせて調整しよう。「nzn」や「muzic」のように隣に文字を並べておくと作業しやすい。文字幅は「n」と同じぐらいが妥当だ。

また、こちらも「s」と同じく上の方を若干小さくするとバランス良く見える。

右上、左下の角の部分のデザインは「v、w、x、y」の四文字と揃えることになる。そしてこの四文字は次回に持ち越しだ。他の文字と比べると例外的な部分が多いので別枠で説明する。

次回予告
今年中に小文字は全部仕上げたい。という気持ち”だけ”はあるので、次回もお楽しみに。


記事をご覧いただきありがとうございます。 もしよろしければサポートしていただけると嬉しいです。 記事の更新スピードや、ある日突然新しいフォントを公開したりする可能性が上がります。 いただいたサポートは書籍購入や作業環境の更新に使わせていただきます。